人気プロレーシングドライバーの土屋圭市がその立身出世の相棒として、当時から現在に至るまで取り上げ続けたことでも注目を集めるようになる。 特に氏を信望する峠の走り屋には、土屋圭市(ドリキン)=ドリフト=FR=ハチロクというように絶大な人気を得た。
1990年代半ばからは漫画『頭文字D』の主人公(元々は父・藤原文太保有、後に主人公の藤原拓海保有に)の愛車ということで、元々の車好き以外にも注目を浴びて以来、中古車市場でも異常なほどの高値安定を示し、アメリカなどから左ハンドル仕様を逆輸入して販売する業者も現れた。 絶版直後ならいざ知らず、絶版から20年近く経った現在、その経年状態と性能に見合わない価格で購入していくのは、走り屋よりも『頭文字D』に憧れた者ばかりと言われる。 その為か、ハチロク専門店も存在するほどである。
それでも長年培った様々なノウハウや社外パーツでのチューニングに加え、後に登場したレビン・トレノに採用されたスーパーチャージャー、4連スロットルボディー、20バルブ4A-GEエンジン等を流用する純正品でのチューニングメニューも多く、さらにはSR20DETやRB26DETT、2JZ-GTE、F20C、RE等あらゆるエンジン換装例もある。 金に糸目を付けなければ1980年代の車でありながら、21世紀の現在でも充分にこの車を楽しめる。 現代の車に比較して、シンプルなエンジン(補器類含む)、サスペンションの構造が、プライベート(個人)でのモディファイに適していることも、これだけ長く人気を得てきている理由の一つといえる。
また、外観からかなり痛みが見られるような車体状態でも、走行は可能な堅牢さも特筆に価する。(通常であれば廃車扱いとなるような状態の車体であっても、人気とメンテナンス経験を持った人間の多さゆえ、電気自動車などの改造ベースとしても好んで使用される。)
前述の逆輸入左ハンドル車の注意点は、足車として使われていたため走行距離が多い個体が多い、Dジェトロでなくエアフロ式なので、インテークパイプに加工が必要、排気側もEGR(排ガス還流装置)があり、右ハンドルの物をポン付け出来ない、などである。
ちなみに、同年式のレビン・トレノの3A-U型1500ccSOHCエンジン搭載車はその形式名(AE85)から「ハチゴー」と呼ばれるが、たった83馬力しかないそのエンジンゆえにハチロクほど人気はない。
しかし、一部ではその不人気さゆえのハチロクより軽量、低価格でハチロクより程度のいいボディーが手に入ると言う理由で、マニアがエンジン載せ換えやフレーム加工などの大規模な改造を施す時のベース車として使われる事が多い。(実際、ハチゴーをベースにフレームに大規模な加工を加え、スープラ等に搭載される2JZエンジンを搭載したドラッグマシンの実例もある。) ちなみにこのハチゴーは、頭文字Dの拓海の友人である樹の愛車でもある。
余談ではあるが、当時トヨタ社と提携関係の有った英国ロータス社の「エスプリ」に、このAE86前期型レビンのリアコンビランプが使用されていた。